マラソンの伴走者と聞いて、みなさんはどのような人をイメージしますか?
おそらく多くの人が、視覚障害がいなどの隣で付き添うように走っている人のことをイメージされたのではないでしょうか?
とくに、このページをご覧の人は伴走者について
- 具体的に何をするの?
- 特別なスキルや資格はいるの?
などの疑問を感じている人も多いはず。
本ページでは、そんな人のためにマラソンの伴走者について、くわしくお伝えさせていただきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
ゆらぎ整骨院 院長 中村
医療機関運営のメディカルフィットネス施設 代表トレーナー
フルマラソン自己ベスト3時間1分
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マラソンの伴走者は何をする人なの?
伴走者は視覚障がい者のランナーの目のかわりになる人。
このようなイメージをお持ちの人は多いでしょうし、実際に、この認識で間違っていません。
伴走者のおもな役割は以下のとおりです。
- 安全な走路の確保
- 目標ペースでの伴走
- 声かけ
安全な走路の確保
マラソンコースといえば、一般道路などのうえを走る場合が多いですが、側溝や小枝が落ちている場合など、意外な障がい物が点在しています。
健常者であれば、目視をして安全なコースを確保することが可能ですが、視覚障がい者の場合は困難です。
そのため、伴走者は常に周囲を見渡し、安全な走路を確保するためのコースとりを行う役割があります。
目標ペースでの伴走
日頃からトレーニングを積んで、目標ペースを体に覚えこませても、いざマラソン大会当日になるとオーバーペースになったり、周囲の雑音に気をとられたりすることは視覚障がい者のランナーだけでなく、健常者ランナーでもあります。
そのため、伴走者はランナーのペースを誘導してあげる役割も担っているのです。
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声かけ
途中のタイムを教えたり、給水の有無を確認したり、マラソンレース中にも、さまざまな声を行うタイミングがあります。
もちろん、ランナーによっては声をかけて欲しくない人や、声かけでパワーが出る人などさまざまなため、普段からどのようなスタイルでレースを進めていくのかを打ち合わせておく必要があり、このことも伴走者の役割のひとつです。
マラソンの伴走者になるための資格&スキルは?
伴走者の役割を聞くと「ハードルが高そう」「自分にはできないかも」などの不安を感じる人は多いかもしれません。
また、なにか特別資格を持った人でなければ伴走者になることができないと思う人も多いはずです。
伴走者になるための資格は要らない
マラソンの伴走者になるために特別な必要ありません。
つまり、誰でもマラソンの伴走者になることができます。
とはいえ、何もスキルのない状態からマラソンの伴走者になるには不安しかありませんよね?
そんな人は、一定のスキルを付ける講習会などが随時行われています。
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ランナーの目標タイムを超える走力
当然のことですが、視覚障がい者のランナーが「フルマラソンを5時間以内で走りたい」という目標タイムを設定した場合、伴走者の走力が5時間以内に満たない場合は伴走を担うことは難しいでしょう。
そのため、伴走者はフルマラソンを完走できる走力と、視覚障がい者のランナーの目標タイムを確実に完走できるスキルが必要になります。
手引き
ランナーと伴走者は小さなロープをお互いが手に持つことにより、二人三脚のように歩を進めていきます。
ロープの持ち方や、手引きのタイミングなどに決まりはないものの、視覚障がい者のランナーによってはロープを短く持ちたい人や長く持ちたい人などさまざまです。
そのため、いかなる視覚障がい者ランナーの要望にも柔軟に対応できるスキルと走力が必要となります。
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誘導
決して平坦ではないフルマラソンのコース。側溝や小枝などの障害物があれば、下り、上りの勾配まで、伴走者はコース状況を瞬時にわかりやすく視覚障がい者のランナーに伝える必要があります。
誘導のスキルは、やはり経験を積んでいくなかで身についていくものであり、数をこなすしかありません。
では、伴走者としての経験を積みたい場合は、どうすれば良いのでしょうか?
マラソンの伴走者としての経験を積む方法
マラソンの伴走者としての経験を積む一番の方法は、練習会・講習会への参加です。
実は、各地域で伴走者の講習は行われており、みなさんの住む地域でも定期的に開催されているかもしれません。
くわしくは、「特定非営利活動法人 日本ブラインドマラソン協会」のホームページにて、各地域で開催されている練習会・講習会の情報が公開されていますので興味がある人は、ぜひご確認ください。
伴走者になるために知っておきたい視覚障がいについて
伴走者になるためには、視覚障がいについて一定の知識を身に付けておく必要があります。
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視覚障がいの主な特徴と分類
分類 | 視力の状態 |
完全視覚 | 視力に問題がなく、正常な視力を持つ人 |
低視力 | 軽度から中程度の視力の制限がある人 |
重度視覚障害(視覚障害者) | 重度の視力の制限がある人 |
完全視覚障害(盲人) | 視力がなく、全く見ることができない人 |
色覚異常 | 赤・緑・青の色の識別に問題がある人 |
まず、視覚障がいといっても様々な状態により以上のような分類がなされます。
視覚障がいと聞くと、目が見えないというイメージを持たれる人も多いですが、まったく見えない人から少し見えづらい人までさまざまです。
国際大会でのクラス分け
たとえば、同じ視覚障がい者のランナーといっても、低視力のランナーと完全視覚障がいのランナーを同じクラスにすると、圧倒的に低視力のランナーが有利な状況になってしまいます。
そのことを回避すべく、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee)では、以下のようなクラス分けがなされています。
IPC(国際パラリンピック委員会) IBSA(国際視覚障害者スポーツ協会) |
|
クラス名 | 区分内容 |
T11クラス (B1) |
視力0.0025未満(LogMar2.60より低視力) |
T12クラス (B2) |
視力0.0025から0.032まで、または視野直径10度未満(logMAR2.6からlogMAR1.5まで) |
T13クラス (B3) |
視力0.04以上0.1まで、または視野直径10度以上40度未満(logMAR1.4からlogMAR1.0まで) |
視力は良い方の眼の矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズなどを使用した視力)
全国障害者スポーツ大会 | |
クラス名 | 区分内容 |
B1(区分24) | 視力0から0.01まで |
B2(区分25) | その他の視覚障害(障害者手帳の保持が条件 |
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まとめ
マラソンの伴走者についてをお伝えさせていただきました。
伴走者には興味があるけで、難しいそうで躊躇していた人でも、本ページを見て少しでも前向きな気持ちになってくれたら嬉しいです。
もちろん、一定のスキルと走力は必要な伴走者。ただし、視覚障がい者のランナーと伴走者のふたりでレースを作っていく楽しさと奥深さは、ひとりのマラソンレースとは違った醍醐味があります。
興味のある人は、まずは練習会・講習会に勇気を出して参加してみましょう!
あなたのマラソンライフが楽しいものになりますように応援しています!