「マラソンには脳を活性化させる効果が期待できる」
たしかに、マラソンを行うと体も頭もすっきりとした気分になることがあります。
そのため、マラソンをはじめとした有酸素運動が「脳」を活性化させる報告があることも事実です。
一方で、マラソンは脳を衰えさせるという報告も存在します。
では、結局のところ
- マラソンは脳に良いのか?悪いのか?
- マラソンが脳にダメージを与えることはあるのか?
本ページでくわしく解説をしていきます。
気になる人は、ぜひご覧ください。
ゆらぎ整骨院 院長 中村
医療機関運営のメディカルフィットネス施設 代表トレーナー
フルマラソン自己ベスト3時間1分
スポンサーリンク
マラソンによるダメージ(衝撃)は脳を活性化させる!?
国立障害者リハビリテーションセンター病院から、興味深い研究結果が発表されています。
簡単に説明をすると、マラソンをはじめとしたランニング、ジョギングなどの着時に伝わる脳への衝撃が脳を活性化させるというものです。
実験は、マウスで行われています。
マウスにあらかじめ、大量のセロトニンを投与して幻覚反応を起こさせたうえで、脳への衝撃がかかる運動をさせます。
すると、運動をしていたマウスは、運動をしていないマウスに比べて幻覚反応が少ないという結果の内容です。
ただし、この研究結果で結論付けられている内容は、低~中程度の運動。
ウルトラマンマラソンやフルマラソンなどの高強度の運動において、同様の結果が出る旨の研究結果ではありません。
高強度のマラソンは脳にダメージを与えるのか?
実は、100㎞以上を走破するウルトラマンマラソンでは、レース中に最大6%の脳への萎縮が報告された研究結果があるようです。
このことから、マラソンは少なからず脳へダメージを与える可能性があると結論付けることができます。
ただし、以下の点も付け加えたうえでの結論であることをご承知おきください。
スポンサーリンク
強度の高いマラソンほど脳へのダメージが大きい
「有酸素運動は脳の活性化が期待できる」という報告がある一方で「マラソンは脳へのダメージがある」という報告もあります。
一見、矛盾のように感じるふたつの報告ですが、実はまったく矛盾していません。
理由は簡単で、健康のために行う有酸素運動と、記録を狙うために行うマラソンでは「運動強度」がまったく別物だからです。
健康のために行う有酸素運動は、軽く息がはずむ程度のニコニコペース。一方、マラソンレースでは呼吸が苦しくなり、全身への酸素供給が間に合わないほどの状態になることがあります。そのため、脳への酸素供給も乏しくなり少なからず脳にダメージを与えてしまうことは何となくイメージがつくのではないでしょうか。
つまり、マラソンと言っても、強度や走行距離で脳へのダメージが変わってくることがわかります。
ダメージ受けた脳は数ヶ月で元に戻る
マラソンが少なからず脳へダメージを与える可能性がある。
こんな話を聞いてしまうと「怖くてマラソンができない!」と思ってしまうランナーもいるのではないでしょうか。
しかし、過度な心配をする必要はありません。
マラソンによりダメージを受けた脳は、数ヶ月ほどで元の状態へと回復すると言われています。
くわえて、今回ご紹介した例は、あくまでも100㎞以上を走破するウルトラマンマラソンの話です。
先述したとおり、脳へのダメージはマラソンの強度と走行距離と比例することが予想できますので、適度な休息をとりながら無理のないマラソンライフを送れば問題はないでしょう。
スポンサーリンク
マラソンが脳に与える良い影響
マラソンが脳へ与えるダメージについては何となくご理解いただけましたか?
たしかに、過度な運動は少なからず脳へのダメージがあります。何ごともやり過ぎは禁物、といったところでしょう。
しかし、マラソンをすると脳をはじめとした体のさまざまな部分に良い影響を与えることがあるのです。
その代表的なものをいくつかご紹介していきます。
メンタルをコントロールできる
日々のランニングや、マラソン大会への参加。
どれをとっても「よし!やろう!」と自身の気持ちを高めて行動をしなければできないことです。
この時点で、自身のメンタルを前向きにコントロールできているのです。
何かを成し遂げるという目標に向かって行動することは、自律神経の乱れを防ぐ効果が期待できることも分かっています。
記憶力が向上する
ランニングをはじめとした継続的な運動は脳にある「海馬」を大きくする旨の研究結果もあります。
海馬とは、情報などの記憶を司る部位です。
勉強などで覚えた知識は、海馬で記憶されたのちに大脳皮質へいき長期記憶として保存されます。
東大を目指す某ドラマでも、体を動かしながら勉強をして記憶力を高めるシーンがありましたが、理論に基づいた効率的な勉強方法であることがわかります。
スポンサーリンク
ランナーズハイを感じられる
マラソン経験が長くなると、本当であれば疲労を感じてきつくて仕方ない場面で、まったく疲れやきつさを感じない状態を体験することがあります。
いわゆる、ランナーズハイと呼ばれるもので、この感覚を体験するためにマラソンを続けている人もいるほどです。
【時間別】マラソンが脳に与える影響を紹介
適度なマラソンは、脳へ良い影響を与えてくれることはご理解いただけたかと思います。
では、脳に良い影響を与えるマラソンを行う理想の時間帯はあるのでしょうか?
朝・昼・夜の3パターンに分けてご紹介していきます。
朝のマラソンの場合
朝のマラソンは、脳を覚醒させる効果が期待できます。
具体的には、ドーパミンやアドレナリンの分泌を促し、体が戦う体にシフトすることに。
そのため、寝起きが悪い人や、午前中の生産性が落ちやすい人は、朝のマラソンを行うと、効率的な1日を過ごすことができます。
スポンサーリンク
昼のマラソンの場合
昼のマラソンは、午後からの生産性を高める効果が期待できます。
人の体内リズムの中でもっとも、やる気に満ちて生産性が高くなる時間帯がお昼です。
このお昼の時間帯に、マラソンを行うと、さらなるやる気の向上が期待できます。
脳も最大限の機能を発揮することができるため、午後からの大事な仕事にも全集中できるでしょう。
夜のマラソンの場合
夜のマラソンは、成長ホルモンの分泌を促す効果、就寝の準備を促す効果が期待できます。
ただし、夜のマラソンと言っても就寝直前はおすすめできません。
理由は、就寝直前のマラソンは体温を上昇させてしまうからです。
人は、就寝前に深部体温が下がることでスムーズな入眠ができます。
しかし、就寝直前に運動やお風呂などで体温を上昇させてしまうと、スムーズな入眠ができません。
そのため、夜のマラソンといっても理想は夕方ぐらいがベストです。
就寝時間から逆算して3~4時間前にマラソンを心掛けてみましょう。
スポンサーリンク
まとめ
マラソンが脳に与えるダメージについてお伝えさせていただきました。
結論としましては、過度なマラソンは少なからず脳へのダメージがあるということ。
ただし、適度なマラソンはかえって脳に良い影響を与えてくれます。
これは、マラソンにかぎった話ではありません。
何事も、やり過ぎは体に悪影響を及ぼす可能性があります。
健康のためにマラソンを行う場合は、くれぐれも頑張り過ぎには注意してください。
あなたのマラソンライフが楽しいものになりますように応援しています!